東京・文京区のマッサージ店「リラックスタイム」で、タイ国籍の12歳の少女が働かされていた事件が話題になっています。
わずか1カ月で約60人の客を相手にし、売上は母親や店の経営者に渡っていたといいます。
逮捕されたのは、店を経営する細野正之容疑者(51)。
母親を信じて日本に来た少女を待っていたのは、想像を超える“現実”でした。
そこには、信じる心の裏切り・貧しさの連鎖・そして日本社会の盲点という3つの闇が隠されていました。
今回の記事では、こちらの事件についてまとめていきます。
事件の概要

警視庁によると、文京区湯島の「リラクゼーション店」を経営していた男が、12歳のタイ国籍の少女を働かせていたとして逮捕されました。
逮捕された細野正之容疑者は今年の夏ごろ、文京区湯島3丁目にある個室マッサージ店「リラックスタイム」で、少女を従業員として雇用していました。
マッサージ業務をさせるだけでなく、男性客に性的サービスをさせていた疑いがもたれています。
少女は1カ月のあいだに約60人の客を接客し、売上はおよそ62万円。
この金は店の経営者の口座を通じて、母親側の口座に送金されていたということです。
母娘は6月末に来日したが、母親は2週間ほどで帰国しています。
少女はひとり日本に残され、生活の拠点を失ったまま働かされていました。
9月、勇気を振り絞って出入国在留管理局に助けを求めたことで、事件が明るみに出たという事です。
【人間ドラマ】信じた母親に裏切られた少女

「お母さんを信じて日本に来た」
タイで祖父母や妹と暮らしていた少女は、母親から「日本に行けば仕事がある」と言われ、希望を胸に来日しました。
でも、待っていたのは“仕事”ではなく“搾取”でした。
日本語も分からず、逃げることもできず、母親を信じて働き続けた日々。
「母が迎えに来る」と信じていた少女の思いは、やがて絶望へと変わっていきます。
彼女は台所で寝泊まりしながら、約33日間で60人の客を相手にしたといいます。
12歳の少女にとって、それがどれほど恐ろしい現実だったか
想像するだけで胸が苦しくなります。
それでも彼女はあきらめませんでした。
9月、勇気を出して東京出入国在留管理局に助けを求め、こう語ったのです。
「タイに帰りたい。学校に通いたい」
この一言が、事件の闇を明るみに出すきっかけになりました。
【構造問題】母親も“搾取の連鎖”の中にいた

「母が娘を売った」という衝撃的な構図。
けれど、その母親もまた、貧困と依存の中で生きていた被害者だったのかもしれません。
母はタイで生活費を稼ぐため、性的サービスを伴う仕事をしていたといいます。
そして、自分が慣れてしまった“出稼ぎ”の世界に、娘を連れてきてしまった。
悪意ではなく、貧しさが判断を狂わせたのです。
母は「家族を助けるため」と信じ、娘は「母を信じて働いた」。
でも、その信頼が搾取の仕組みに利用された――。
誰かひとりを“悪者”にして終わる話ではありません。
この事件は、「貧しさ」と「無関心」が作り出した連鎖の悲劇でもあります。
【社会批評】“安全な日本”の裏側で起きていること

事件が起きたのは、観光地としても知られる文京区・湯島。
誰もが通り過ぎる街角で、こんな悲劇が起きていたのです。
“リラクゼーション”を名乗りながら、実態は性的サービスを提供する店
そうした場所は、都内だけでも少なくありません。
外国人女性が短期滞在で働かされ、知らないうちに“商品”のように扱われている現実があります。
米国務省の報告でも、日本は6年連続で「人身取引対策が不十分」とされています。
表では「安全な国」と言われながら、裏では弱い立場の人が搾取されている。
それが、この国の“もう一つの顔”です。
ネット上の反応は?
酷い!酷すぎる!
12歳の子供を金儲けに使うなんて許せないし、客も子供が働いてても通報しないとか終わってる!人身売買のニュースは見た事あったけど、日本でこんな事が行われていたなんて凄くショックです!保護されて良かったですが、氷山の一角かもしれないので、何か対策が必要だと思います! https://t.co/7WJJVdBNpu— 冒険家ゆたぼん(16)@スタディモード (@yutabon_youtube) November 6, 2025
⬜️「学校に通いたい」12歳タイ人少女働かせた疑いでマッサージ店摘発 人身取引かhttps://t.co/QiNHP3mCh9
これ母親も店もどうかと思うけど、利用客も幼い外国の子が働いてるって気付いてたよね…気持ち悪すぎるんだけど https://t.co/ffhKOoDqYw
— フィフィ (@FIFI_Egypt) November 6, 2025
12歳のタイ人少女を働かせた疑いでマッサージ店の経営者が逮捕されました
少女は「帰国したい。学校に通いたい」などと東京出入国在留管理局に相談に駆け込んだということですhttps://t.co/jfF5DHF4Vb
— NHKニュース (@nhk_news) November 6, 2025
これに関わった経営者もブローカーもだけど客も全員根こそぎ逮捕してくれ
タイ人12歳保護、で見てみたら人身売買+実質の児童買春で鬼畜すぎるだろ…
> 母親と来日した12歳、文京区の「マッサージ店」で人身取引被害か pic.twitter.com/4v4EYJslA6
— 猫乃そら (@Kabuki_friends) November 6, 2025
12歳の女の子がマッサージすることにお金払う人がいることが本当気持ち悪い
12歳の少女をマッサージ店で働かせた疑いで経営者の男逮捕 「タイに帰りたい」東京出入国在留管理局を自ら訪れ、相談したことで事件発覚 警視庁 | TBS NEWS DIG https://t.co/XXioVI3Mlt
— 🍙高橋ユキ🍙 (@tk84yuki) November 6, 2025
まとめ
この事件は、12歳の少女の悲劇であり、社会全体の警告でもあります。
信じた母親に裏切られ、貧困に追われ、社会に見捨てられた――。
けれど、少女は最後まで希望を捨てませんでした。
「学校に通いたい」という小さな願いを、私たちはどう受け止めるべきでしょうか。
見て見ぬふりをすれば、また誰かの未来が奪われてしまう。
いま問われているのは、“日本という社会が、子どもを守れる国なのか”ということです。